美しい、満月が世界を照らしてくれました。
与謝蕪村の俳句に、月天心 貧しき街を照らしけり というものがあります。
月の、静かで、内的な光が、ありふれた寂しい夜の街を照らしている、イメージがわいてきます。
犬が一匹鳴いているようでもあります。

11月は作品展、ランタン祭りと様々な催しがありました。
お母さん方、お父さん方の活躍で、素晴らしい会になりました。準備、バザーの品物の制作など、お疲れさまでした。親が作ったものを楽しそうに売り歩く子どもたちは幸せだろうな、と思いました。
また、ランタン祭りも秋の静かで心温まる夕暮れの中を楽しくそぞろ歩くことができました。
昨年は風が強く川に下りずに戻ってきたので、今年は、十分川沿いで楽しむことができました。

あたりは、今紅葉の真っ盛りです。
木々は、赤やオレンジや黄色に染まり、夏の間に静かに受け取ったものを色合いとして外に向かって表現しているようでもあります。
空気が止まった瞬間に、イチョウの木から黄色いしずくが垂れるように落ち葉が落ちてきます。
光を十分に吸い込んで輝きながら落ちていく落ち葉の後にやってくるのは、反射の光です。
壁に当たる日差しに心温まるものを感じます。これまで、葉を透かしていた光は、大地や木々の幹に差し込んでいます。すべては、静まり返って原初に戻った地面に太陽からの光は差し込み、表面で反射しながら、目に見えない大地の本質、木の本質を温めています。
冬の間、暗い中で暖め続けられた熱は、次の春の新たな芽吹きの力となることでしょう。